お灸で免疫力アップ!足三里のツボ

今、新型コロナウイルスをはじめとする感染症対策のひとつとして、日本伝統のお灸をもう一度見直してみませんか?

お灸の効用として、疲労回復や血行促進はもちろん、モグサに含まれるヨモギの有効成分の浸透作用で白血球が増加すること等が明らかになっています。これは、感染症などの病気に罹りにくく、もし罹っても軽症で済んだり治りやすくなるからだを作るということ。

 

膝小僧の下の外側にある「足三里(あしさんり)」というツボ。胃腸の働きを整え、疲労回復効果があることは昔からよく知られており、かの松尾芭蕉も『奥の細道』の中で「股引の破れを綴り、傘の緒つけかえて、三里に灸すゆるより、松島の月まず心にかかりて」としたためています。

昭和の始め、日本で初めてお灸の研究で博士号を取った医師・原志免太郎先生も、足三里のお灸が免疫力を高めるということを証明し、当時日本で恐れられていた感染症である結核の予防・治療に有効だと、全国を講演して歩かれました。

 

東洋医学には「扶正去邪(ふせいきょじゃ)」と言って、正気(元気)が充実していれば邪気(病気)を追い払うことができるが、正気が不足していると邪気に負けて病気になってしまう、という考え方があります。

きちんと栄養と休息をとり、手洗いと水分補給(うがいではありませんよ!)をすること。そしてお灸!ただひたすらに怖がるのではなく、自分たちが本来持っている自然治癒力を高めること、抵抗力をつけること、とっても大切なのではないかと考えます。

 

お灸のすえ方やツボの取り方などに不安のある方は、ぜひお近くの鍼灸師に聞いてみてください。

 

 

 

原志免太郎先生の「お灸を結核の予防・治療の一助に」という意志は、2008年にイギリス人鍼灸師により発足したチャリティ団体「モクサアフリカ」(日本にも支部があります)に受け継がれ、現在も結核が猛威を振るうアフリカで、地元の人たちが自らできる簡便で効果のあるセルフケアとして、普及活動が行われています。昨年NHKで放映された「東洋医学ホントのチカラ」でも紹介されましたね。